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もりぐち便り～守口市駅前のいち司法書士のつぶやき～
〇判断能力がある方の身元保証など
コロナウイルスが騒がれだしたのは令和2年の初めでしたが、早や令和3年の半ばを過ぎました。ここまで長くこの問題が続いているとは、当時は思ってもいませんでした。
やっとワクチン接種が本格化してきて、そろそろ終焉の兆しが、と思い始めたところで、今度はワクチン接種の減速。そして4度目の緊急事態宣言。なかなか安心させてくれません。
それでもワクチン接種は高齢者の方々には相当進んでいるようで、お会いした方々にお聞きしてまだだったのはお一人だけ。その方も、ご自身の意思で接種していないそうなので、高齢者で接種を希望した方はほぼ済んでいるのでしょうかね。
ちなみに私は、先日１回目を大阪府大規模接種センターで接種しました。予約を取るのが大変と聞いていましたが、ネット予約、なかなかコツがいるように思いました。少しずつ仕組みが分かってきて、３回目チャレンジで予約が取れました。
接種後の経過は、まさに巷間言われているような感じで、接種した腕の痛みと倦怠感が翌日まで続きましたが、発熱はありませんでした。翌々日からは普段どおりの体調です。
最近のご相談で多いのが、「頼れる親族がいないもしくは親族を当てにしたくない場合に、自身が入院した時の緊急連絡先や保証人・身元引受人になって欲しい。入院時の対応（医療費等の支払いや役所の手続き等）もお願いしたい。」「自身が亡くなった時に、医療費の精算や居所の引き払い、葬儀や納骨等、人様に迷惑をかけないように準備しておきたい。」というものです。
入院する際に保証人等を立てられないことで入院を断わられることの是非は別として、実際にそういった不利益を自分が受けないように備えておきたいというニーズです。
この場合、我々が対処するならば、すでに判断能力の低下があれば法定後見（後見・保佐・補助）で一連の対応をすることになりますし、ほぼそれ一択となるのですが、問題は判断能力に問題のない方の場合です。判断能力がある方には後見人（保佐人・補助人を含む。）を就けることができないので、その場合にも、後見人が就いている（＝ご本人のために支払いや身元引受け等を事実上行う者がいる。）状態に近づけるために使う方法が、任意後見契約に付随する財産管理等委任契約や死後事務委任契約です。
保証人等になること自体はできないのですが（この点は法定後見でも同じ。）、ご本人についてのご請求はご本人の財産がある限り受任者が支払いをすることや、退院時等には協力することを説明して、後見人等が就いている場合と比して事実上の大差はないと理解していただけるようにしています。
任意後見契約もそうですが、上記の財産管理等委任契約や死後事務委任契約は、基本的には契約の内容はオーダーメイドとなります。委任者様よりこういった支援をして欲しいという要望を聞きだすことや、受任者よりこういった支援もありますというご提案をすることにより、契約書を作り上げていくものになりますので、契約前に委任者・受任者間での内容のすり合わせが必要になります。また、受任者によってできる業務の範囲も異なりますので、○○はしていただけますか？と確認するようにしてください。
制度や法の趣旨からしてできないことももちろんありますが、現在から万一の入院に備えて、もちろんそれだけではなく、将来認知症等になったときのことや、ご自身の死後の葬儀や遺産のことまで、ご不安に思うことを聞き取りしながら内容を作り上げていくことで、様々なことを事前に決めておくことができます。また、オーダーメイドとはいっても基本となる形はありますので、それほど難しく考えていただくことも無いかと思います。
この点、昨今増えている身元保証会社にも、これに近いサービスがあるようです。費用面やサービス内容等、一度比較されてもよいと思います。ただし、日本ライフ協会のような問題もありましたので、受任者の選択はご注意くださいね。
※なお、『任意後見契約に付随する財産管理等委任契約や死後事務委任契約』としておりますが、必ずしも任意後見契約に付随しなくてはならないものではありません。リーガルサポートの社員として当該業務をお受けする場合は、任意後見契約に付随する形を原則としているため、「付随する」と記載しておりますが、法的にはそれぞれ単独で締結可能です。
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