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もりぐち便り~守口市駅前のいち司法書士のつぶやき~

〇相続登記の義務化について

 

 まん延防止等重点措置がやっと解除のようですね。ちょうど年度が替わって、会議や各種総会、歓送迎会等が多数行われるはずの時期ですし、この春はそろそろリアルな会合が行われることが増えるでしょうか。

 3回目のコロナワクチンは、私は大阪府の大規模接種センターで早々に接種しました。前回とは違って、予約サイトの状況はガラガラ、翌日でも何十人分も空いている感じでした。3回ともモデルナを摂取したのですが、3回目の副作用は2回目に比べてずいぶんマシで、2回目は38度の発熱と倦怠感で2日間しんどかったですが、3回目は発熱は37.1度まで、しんどいのも1日だけで、2日目にはいつもの運動をしても何ともない感じでした。参考になればと思います。

 コロナがちょっと収束の兆しが見えたのかな…と思ったら今度はウクライナ侵攻問題が。これから我々の日常生活にもどう影響していくのかわかりませんが、先行きが見えないからこそ、いま出来ることはひとつひとつやっていこうと思います。例えばですが、私事ですが、前々から興味のあった分野に挑戦する機会が昨年巡ってきて、この4月から就任することになりました。初めてのことで不安もありますが、精進していきたいと思います。また、こちらはプライベートですが、ある山荘からの星空を夜通し撮影してそれを早回しで見せてくれている動画があって、その刻一刻と変化する星空の映像がとてもきれいで感動してしまって、「いつかこの星空を見に行ってやる!」と思っています。

 

 さて、最近の登記に関する相談で一番多いのは、やはり相続登記の義務化です。これは所有者不明土地問題を解消(所有者が確定できないがために公共用地としての利用や民間の取引が阻害されてきたことを解消)するための法改正の方策のひとつです。

 令和6年4月1日より、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する義務を負うことになります。また、同日までに既に発生していた相続についても義務は生じ、取得したことを知った日もしくは施行日(令和6年4月1日)のどちらか遅い方の日から3年以内に相続登記をする義務が生じます。正当な理由なく申請しなかった場合は罰則(10万円以下の過料)もありますので、注意が必要です。

 例えば、自宅不動産の名義人たる夫(父)が亡くなっても相続登記しないまま妻(子)が住み続けている事例とか、祖父母・曾祖母名義の田舎の土地があるがそのままにしている、といった事例は対処が必要です。

 

 今回の法改正には、他にも重要な方策がいくつかあります。例えば①住所変更登記の義務化(施行日は未定)、②所有者不明土地管理制度の創設(令和5年4月1日施行)、②共有者が不明な共有地の利用の円滑化、③相続土地国庫帰属制度(令和5年4月27日施行)、④長期間経過後の遺産分割の見直し(令和5年4月27日施行)等です。

 ① の趣旨は相続登記の義務化とほぼ同じで、住所変更のあった日から2年以内に住所変更登記を申請する義務が生じます。施行日以前に住所変更していた場合は、住所変更のあった日もしくは施行日のいずれか遅い日から2年以内、です。

 ②は、所有者が不明な土地・建物があってそれを何とかしたい場合、現行ではその名義人(死者や行方不明者であろうと思われる。)について財産管理人を裁判所に選任してもらうしかなく、それは名義人の財産全てについての管理人となるため手間ひまコストのかかるもので、あまり現実的ではない選択肢でした。それが、何とかしたい物件についてのみの管理人を選任するという制度が創設されることになり、ずいぶん使い勝手がよくなるのではないかと思います。

 ③は、これは関心のある方も多いのではないかと思いますが、相続または遺贈(受贈者は相続人に限る。)により取得した土地を手放して国庫に帰属させる制度です。今は『負動産』なんて言葉で揶揄されることもあるほど、処分に困る不動産の問題を抱えている方は一定数おられると思いますが、この『負動産』問題が一発で解決するような制度では、残念ながらありません。国庫に帰属させるにはいろいろ要件があって、建物や工作物があってはならない(対象は土地のみです。)、地上や地中に通常の管理を妨げる物があってはならない、境界が明示されていなければならない、他人の権利(抵当権、地上権、地役権等)が設定されていてはならない、権利関係に争いがあってはならないなどです。また、審査手数料や10年分の土地管理費相当額の負担金を納付する必要もあります。土地を更地にして、境界確定して、そのうえ負担金を納めて、となると相当な出費になるでしょうか。それでも、土地の管理義務や所有者責任、固定資産税の納付義務を免れるというメリットはありますが。

 ④は、相続開始から10年経過後は寄与分及び特別受益の請求ができなくなることで、それ以降に遺産分割をする場合は法定相続分によることになるという改正です。寄与分や特別受益を考慮した具体的相続分による遺産分割を求めたい場合は早く手続きをしてくださいね、ということです。ただし、相続人全員の合意があれば、10年経過後でも法定相続分によらない分割方法も可能です。また、経過措置により少なくとも施行日から5年の猶予期間があります。

 

 上記以外にも改正点はありますし、施行はもう少し先のため私たち実務家もまだ勉強中であったりしますが、本改正は皆様の財産に直結する改正なので、気になる点は一度ご相談いただければと思います。

 


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大阪府守口市駅前の司法書士事務所です。守口市・門真市・寝屋川市・枚方市・大阪市旭区・鶴見区等の方々からのご相談を多数受けておりますが、もちろんその他の地域も対応可能です。

 

 

 

2022-03-17 01:30:00 | RSS