〇民法改正(個人根保証)
コロナウイルスの問題で、秋の澄んだ青空のような心持ちにはなかなかなれない日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。自粛生活もいろんな意味でしんどくなってきているように思いますし、何より経済活動への影響があまりに深刻ですね。
個人的には、『新しい生活様式』という言葉に非常に違和感を覚えます。効果に対して言葉があまりに軽いというか。これからずっとという趣旨なのか期限付なのか分かりませんが、国民が培ってきた慣習や文化を変えること、もしくは生き方についての自己決定権をこんなに簡単に奪えるものかと驚いています。
どうかこのまま嵐が過ぎ去ってくれたら、と願うばかりです。
ところで、ウイルスといえばほかのウイルスも気になります。先日スマホを見ていたら、「ウイルスに感染しました。このスマホのバッテリーが感染しています。対策のため次のアプリをダウンロードしてください。」というメッセージが。バッテリーって感染するの?とよくわからなかったので、とりあえずググってみたら、いうとおりにダウンロードしてはいけないようですね。
また、以前にはこんなこともありました。ブラウザを立ち上げたときに「おめでとうございます!iPhone〇が100円で買える権利が当選しました!」なんてメッセージが。続いて、「1分以内に手続きされませんと、権利を失います。」とのことで、カウントダウンが始まりました。何事?と思ってググってみたら、個人情報を入力させて詐取しようとする詐欺サイトなのすね。入力しなくてよかった、と思いましたけども、一瞬ですが「え、何?ほんとに?」と戸惑ってしまった自分がいて、情けないというかなんというか。ちなみに、カウントダウンは、1分経っても数字が戻って、延々とされていましたよ。
最近は、新しいアプリ等を使い始める機会が多いかと思いますので、皆様お気を付けくださいね!
去る令和2年4月1日は民法改正の施行日でした。コロナウイルスのことがなければもっと大々的に広報されていたのではと思いますが、売買・消費貸借・賃貸借・保証・定型約款などの債権関係、時効・法定利率・意思能力などにも改正がありましたので、皆様の生活面でも影響は多々あると思われます。
今回は、建物賃貸借契約の連帯保証人、病院入院や施設入所の際の身元保証人になる場合等(個人の根保証)についての、主な変更点です。
今までは根保証契約をする際の責任の範囲に上限の定めがないことが多かったので(事業用融資を除いて)、例えば賃貸借契約の保証人に対して、滞納家賃数年分の何百万円もの額を一括で請求される事例もありました(支払い義務があるかどうかは争いの余地あります。)。が、今回の改正では、極度額(例えば100万円まで、等。)の記載がなければその保証契約自体が無効になる、とされました。ですので、万一保証人になったとしても、いわば極度額分を覚悟していればよい、ということになります。ちなみに極度額までというのは、利息損害金も含めて極度額までということです。数回に分けて保証債務を履行することがあった場合は、その履行する合計が極度額までです。
主債務者及び保証人の死亡により根保証債務の元本が確定することも大きな変更点です。例えば、建物賃貸借の借主の死亡により保証債務の元本が確定する(保証債務がそれ以上増えない)ので、借主死亡以降の賃料は保証債務には含まれません。借主が亡くなることによっては賃貸借契約は終了しない(借主死後の賃料は借主の相続人が支払う。)のですが、借主死亡以降は保証人がいない状態となる、と言えます。
また、保証人の死亡によっても元本は確定するので、保証人の相続人は、保証人が亡くなるまでに発生していた保証債務のみを引き継ぐことになり、保証人の死後に発生する債務は責任を負いませんし、根保証人の地位を引き継ぐことも原則ありません。
ただし、これは根保証に関してであり、単純保証(例えば、住宅ローンの保証人など。)はまた異なりますので、注意してくださいね。
ちなみに、改正法施行以降、いくつかの賃貸借契約書や身元保証契約書を見ましたが、極度額は100万円としているものが多かったですね。そのうち、賃料の何カ月分くらいとか、相場感が出てくるでしょうか。
相続・遺言、不動産登記、会社・法人登記、自己破産、任意整理、個人再生、成年後見、訴訟等
大阪府守口市駅前の司法書士事務所です。守口市・門真市・寝屋川市・枚方市・大阪市旭区・鶴見区等の方々からのご相談を多数受けておりますが、もちろんその他の地域も対応可能です。