○賃貸借契約と保証人
先月、北海道旅行に行き、かの有名な旭山動物園を訪れました。
「何がほかの動物園とそんなに違うのだろう?」と思っておりました、訪れるまでは。
本当に楽しいのです!いろいろな仕掛けがあって、「おぉ!」と思うことがいっぱいでした。
アザラシが円柱水槽を通るところや、オランウータンが観客の頭上を渡っていくところなど、有名なシーンは今回の訪問でほぼ見ることができたのも、満足感につながっております。
また行きたいですね。
ホテルに帰って、夜にテレビをぼーっと見ていると、『家は購入か、賃貸か、どちらがいいのか。』という永遠のテーマについて議論している番組がありました。番組では、主に金銭面でのメリットについて議論していましたが、金銭面だけでなく、保証人の問題や、ずっとそこに住み続けられるかどうかという不安もありますよね。以下のような相談を以前に受けたことがあり、人が生きていく上で不可欠な住まいを借りるのか(自分以外の事情にも左右されうる)、所有するのかの違いを思い知ったご相談でもありました。
ご相談者は一人暮らしをされている女性でした。知人に保証人をお願いして、マンションを借りて住んでいたのですが、保証人の方が保証人として不適格な状態(信用不安)になりました。貸主は保証人の変更を求めてきましたが、そうそう保証人になってくれる人はいません。保証会社を使ってはどうか?と聞きましたら、保証会社は既に利用済みでした。(保証人と保証会社と両方を求めることの是非はともかくとして)貸主の主張は、保証会社を利用していても、代わりの保証人を立てられないなら出て行ってくれ、とのことです。
本件の契約書は、「保証人が保証人の要件を欠くに至ったときは、別の保証人を立てなければならない」という内容でした。ですが、これに違反したからと言って、これを理由に直ちに賃貸借契約を解除できるか、ということですが、これはできないと考えます。
代わりの保証人を立てる義務を負うという特約も有効といえますが、この特約違反を理由に解除するとなると、信頼関係が破壊される程度の違反があってやっと解除が認められるものだからです。本件では、真摯に保証人になってくれる人を探したけれど見つからなかった、保証会社を利用することに協力している、という事情がありましたので、信頼関係の破壊とは到底言えず、大丈夫だろう、と思いました。
また、保証契約は賃貸借契約とは別物であり、現行法では賃貸借契約の当事者たる賃借人が破産した場合でもそれを理由とした解除は認められないのですから、保証人の信用悪化を理由とする賃貸借契約の解除はなおさら認められないでしょう。
では、「代わりの保証人が立てられないときは、賃貸借契約を解除する。」という特約があったらどうでしょうか。明確な判例等はないかと思いますが、これも難しいと考えるのが一般的ではないでしょうか。
ただし、(以下は賃貸借契約成立時の案件であり、代わりの保証人を求められた本件とは少々事情が異なりますが)『賃借人は、本件で重要な要因となる連帯保証人を立てる為の真摯な努力を怠ったことで信頼関係は破壊されたと判断し、賃貸借契約解除の通知を有効と認め、建物明渡請求を認容した事例。H25.7.17東京地裁判決』などもありますので、注意が必要です。
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