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もりぐち便り~守口市駅前のいち司法書士のつぶやき~

○未支給年金

 先週から急に暖かくなりましたね。土曜日には、桜が咲いているのを見かけました。今年は桜の開花が例年よりも早いようですが、それにしてもこれは例外でしょうね、早過ぎです。

 ところで、私が成年後見人をしていて、年金の支給について疑問に感じていることなのですが、例えば2月14日に年金を受給している方がお亡くなりになった場合、2月15日の年金は受け取ることができると思いますか?

 答えは、原則としてNOです。

 国民年金法第18条3項より、年金は後払いです。例えば2月15日に支給されている年金は、12月、1月分の年金です。しかも、同条1項には「権利が消滅した日の属する月で終るものとする。」と規定されていることから、2月は1日でも生存していれば、2月分もまるまる支給されるような気がしますが・・・実際はそうではありません。本人には、2月15日に支給される12月1月分さえ、受け取ることができないのです。

 しかし、同法19条には、年金を受給していて亡くなった方に、生計を同じくしていた一定の遺族がある場合は、その遺族が代わって受け取ることができると規定しています。ですのでこれに該当する場合は、2月分までを受け取ることができるでしょう。

 ただし、これは本人の年金受給権を相続したものではなく、あくまでも19条による遺族固有の請求権によるものだということです。

 とっても釈然としません。

 何より、本人が18条の定めどおりに受給できないことが必然の制度のなっていることがおかしいと思います

 単純に本人が生存していた月分までを本人に支給して、本人の相続財産にすればいいのではないのでしょうか。

 なお、国民年金法について書きましたが、同様の規定が厚生年金保険法にもあります。ちなみに、公務員共済は、生計を同じくしていた一定の遺族がいなくても、相続人が請求できるという点で、異なります。

 

「国民年金法

(年金の支給期間及び支払期月)

 第18条 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。

  2 年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。

  3 年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。

(未支給年金)

 第19条  年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。(以下省略)」

 

 


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2013-03-11 13:13:43 | RSS