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もりぐち便り~守口市駅前のいち司法書士のつぶやき~

〇地面師

 

 今年も4分の3が経過しました。今日はずいぶん涼しく感じられますね。もうすぐハロウィンがあって、年賀状の準備をして、忘年会をして、こうして今年も暮れていくのだろうなぁ、と思っていましたら、まさかの衆議院解散。まだまだ今年は騒がしいようです。

 騒がしいと言えば、オレオレ詐欺が世を騒がせるようになって何年も経ちますが、その被害は今もなお続いているようです。先日、70代の女性の方からお聞きした相談では、犯人からの電話がかかってきたとき、犯人は息子さんの本名を名乗ったそうです。話の流れから「おかしいな」と分かったそうですが、最近のオレオレ詐欺は、やみくもにリストの電話番号にかけているのではなく、ある程度の下調べをしてから、かけてきているのですね。

 

 昨日の夜にNHKのニュースを見ていましたら、東京オリンピックによる地価上昇を見込んでの地面師の被害が増えている、と報じていました。先日も、大手住宅メーカーが63億円もの被害に遭った、というニュースがありましたが、地面師の手口というのも、入念に下調べをして、グループで犯行に及ぶそうです。

 まず、ターゲットとなる土地を探すグループがあって、詐取しやすそうな土地を探して回っているそうです。どういった土地が狙われやすいかというと、①更地や空家であって、管理が行き届いておらず、②所有者が1人であり、③抵当権がついていない物件、とのことです。そして目星をつけると、入念に、物件の権利関係や、所有者の人間関係を調べるとのことです。例えば、施設入所していて空家であったり、亡くなっているにも拘わらず相続登記が未了であったりすると、狙われやすいとのことでした。

 詐欺の手口も、グループによって巧妙に行われており、所有者の方と同性で年齢の近い者が所有者に成りすまして、巧妙に偽造された身分証明書や印鑑証明書等を提示するようです(写真付きの身分証明書を偽造されたら、本物の印鑑証明書を入手することもできそうです。)。また、何人もの関係者を用意していて、どこまでが犯行グループの人間なのかわかりにくくなっているとのことで、そうであれば一体何を信用していいのかわからない状態になりそうです。ここまで入念に準備されると、不動産取引の相手方というのはたいていは面識のない方同士で行うことが多いので、見破ることは相当困難かもしれません。

 ですので、まずは狙われないように気を付けるのが重要かと思います。自身の不動産の謄本を確認してみたり、相続登記が未了の物件があればその手続きをしたり、財産管理がおろそかになりがちな場合は後見制度の利用も検討してみたり、といった自衛手段をご検討ください。また、定期的に物件を見に行ったり、草刈りをしたり建物に風通しをするなどといった事実行為も、管理がおろそかになっていると判断されないためには有効かと思います。所有するということは、使用収益できるというメリットの裏側に、手間暇お金をかけて管理する必要あるのですね。


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大阪府守口市駅前の司法書士事務所です。守口市・門真市・寝屋川市・枚方市・大阪市旭区・鶴見区等の方々からのご相談を多数受けておりますが、もちろんその他の地域も対応可能です。

 

 

2017-09-29 10:39:56 | RSS