○自己破産のデメリット
先日、ある方の相談を聞いていたのですが、その方のおっしゃった一言が気になりました。「自己破産したら、人間的な生活ができなくなるんでしょ?」
結論から言うと、そんなことはありません。
人は人らしく生きる権利を、生まれながらにして持っています(人権といいます。)。そしてその権利は、最大限尊重されなければなりません。また、やむを得ず人権に対して制限を加える場合でも、それは必要最小限度でなければなりません。それは、破産者であろうと、受刑者であろうと、です。
ところで、自己破産のデメリットですが、以下に挙げてみました。
① 財産を処分しなければならない(生活に必要な日常生活品を除きます。)。ローンで購入した物品の引き揚げ。
② 破産手続き中、一定の職種に就くことができなくなる(同時廃止を除く)。
③ 今後、ローンを組めない、クレジットカードが持てない。(一般的には5~7年程度と言われています。)
④ 官報に破産したことが掲載される。本籍地の市町村役場に破産した旨が通知され、破産者名簿に記載される(住民票や戸籍に記載されるわけではありません。)。
⑤ 破産手続き中、住居移転や旅行の制限がある。郵便物を破産管財人にすべて転送され、チェックされる(同時廃止を除く)。
⑥ 保証人に迷惑がかかる。
と、こんな感じでしょうか。
自己破産は、裁判所によって借金全部の返済の義務を免除してもらえる、という強力なメリットがあります。その反面、上にあげたようなデメリットもあるわけですが、実際の生活上めちゃくちゃ困る、というようなデメリットはないと思いませんか?
できれば自己破産しなくて済むならばそれに越したことはありませんが、借金がどうしてもどうにもならない、というときには一考の価値が大いにある手段です。
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